きりたんぽの手技
おもてなしの精神
きりたんぽづくりを佐田商店に伝授してくださった料理屋の女将には、おもてなしの精神と真摯な仕事への姿勢が根幹にありました。
私たちは「よい仕事とは、工夫を凝らし手間を惜しまないことだ」とおもてなしの心を学び、愚直に歩んで参りました。
効率を考え機械化して大量に作る発想は、私共が重視する品質へのこだわりとはそぐわない面があり、伝統製法を守り、食文化としてお届けすることが、佐田商店の使命であり責任だと考え現在も実践しています。
佐田商店のきりたんぽは、人の手で手間を掛けて握り、程良い太さに仕上げています。その訳は、大きすぎず、小さすぎず、女性や高齢者、そしてお子様にも優しく、食べやすい大きさになるからです。
人の手の感覚を大切にしたものづくりには、料理屋の女将から受け継いだ「こだわり」がございます。
ご贔屓をいただいているお客様のために、佐田商店はこれからも秋田の食文化を継承し、「こだわり」を守り続けて、お届けして参ります。
佐田商店のきりたんぽづくりをご紹介します。
まず、炊き上がったうるち米に塩を加え、五分突きにつぶします。これを“半殺し”と呼びます。
うるち米はあきたこまちとササニシキのブレンド米で、塩は秋田県産を使用しています。塩はきりたんぽを引き締める働きがあり、形づくりに役立ちます。半殺しにしたご飯を定量に分けて“玉”にした後、杉串にご飯を握り付けます。この握り付けの手間と加減がもっとも重要になります。
これを板の上で形を整えながら5~6回ほど転がし、糊状の表面をつくりだします。これを程良くこんがりと焼けば、出来上がりです。
きりたんぽの鍋の決め手となるスープの旨みを吸い込み、煮くずれしにくいきりたんぽをつくるには、手で握るのが最適です。きりたんぽの手技には、母親がつくるおにぎりや、寿司職人の繊細な握りに通じる意味があります。
もうひとつ、佐田商店が大切にしているこだわりは、鮮度です。きりたんぽ鍋セットの箱を開けた時に、食欲をそそる焼きたてのきりたんぽの香りを感じていただけるように、日持ちのするレトルトパウチは採用しておりません。佐田商店のきりたんぽは、お客様からの注文に応じて、毎日、必要な分だけを手づくりする「生鮮食品」なのです。